フルマラソンは、30kmまでと、そこからの残り12kmは、まったく別の競技だと思っています。本当のきつさは、ラストにやってくる。
私はこの1年で、2つのフルマラソンを走りました。その2大会が、ラスト10kmの厳しさと、それを乗り越える方法を、身をもって教えてくれました。今日は、その話をします。
奈良マラソン:高低差のコースで、初サブ4達成
まず、2025年12月の奈良マラソン。サブ4(4時間切り)を目標に参加した大会です。
奈良マラソンは、高低差のあるコースです。上りも下りもあって、フラットなコースより一見きつそうに感じますよね。でも、実はここに利点がありました。上りと下りでは使う筋肉が違うので、疲労が分散されるんです。もちろん、これは後から知ったことなのですが。
きつさの感じ方は人それぞれだと思いますが、私にはこの「疲労が分散される」コースが合っていたようで、無事に初サブ4を達成できました。
このときのラスト10kmも、きつさは感じました。でも、サブ4達成が見えていたので、精神的にそこまで追い込まれることはありませんでした。目標が手の届くところにあると、心は意外と保てるものです。
大阪マラソン:フラットなコースの、思わぬ落とし穴
問題は、次の大会でした。2026年2月の大阪マラソン。ここでは、サブ3.5(3時間半切り)を目標にしていました。
奈良のあともしっかり練習を積んでいましたし、大阪マラソンはフラットなコース。正直、「サブ3.5も達成できるだろう」と思っていました。
ところが——フラットなコースには、高低差のあるコースとは違う、思わぬ落とし穴がありました。ずっと、同じ筋肉を使い続けるのです。
30km地点。ずっと同じ動きで酷使してきた私の両太ももの裏が、攣りました。それまではサブ3.5ペースをなんとか保っていたのですが、同じペースで走ろうとすると、脚がちぎれそうに痛む。ペースを落とさなければ、前に進めなくなってしまったのです。
心が折れて、少し止まってしまった
サブ3.5の達成が難しいと分かった瞬間、私はショックで、ほんの少しの間、足を止めてしまいました。
あれだけ練習を積んで、いけると思っていた。それが、30km地点で崩れていく。あのときの、目の前が真っ暗になるような感覚は、今でも覚えています。
私を再び走らせた、3曲
止まってしまった自分を、なんとか奮い立たせるために。私は、トレーニングのときにいつも聴いている3曲をかけました。
- リンキン・パーク「Faint」:イントロを聴くだけで、一気に気持ちが上がります
- sumika「Starting Over」:歌詞から、前に進む力をもらえます
- B’z「衝動」:ボーカル・稲葉さんの声そのものから、力が湧いてきます
この3曲は、練習で何度も聴いて、「これを聴くと気持ちが高ぶる」と分かっている勝負曲です。折れかけた心を、音楽の力がもう一度立たせてくれました。おかげで、なんとか最後までゴールまで進むことができたのです。
タイムは【3時間36分1秒】目標には届きませんでした。でも、あそこで完全に止まらずに済んだのは、間違いなくこの音楽のおかげでした。
まとめ:ラスト10kmは、準備で乗り越える
2つの大会が教えてくれたのは、ラスト10kmは、気合いだけでは乗り越えられない、ということです。
コースの特性を理解しておくこと(フラットも決して楽ではない)。後半に脚を残す練習を積むこと。そして、心が折れそうになったときの「スイッチ」を、あらかじめ用意しておくこと。私にとってのそのスイッチが、あの3曲でした。
11月の福知山マラソンでも、私はまたラスト10kmで、この3曲に背中を押してもらうつもりです。今度こそ、サブ3.5を達成するために。
同じようにラストの壁に苦しんでいるランナーの方は、ぜひ「自分だけの勝負曲」を見つけてみてください。それは、最後の数キロで、あなたを助けてくれるはずです。
